矯正治療中に口内炎ができるのはなぜ?原因と対処法は?
矯正治療中に口内炎ができる原因 は?
矯正治療中にできる口内炎の主な原因は、矯正器具が口腔内の粘膜に当たってできた傷による炎症です。
ワイヤー矯正の場合、装置が舌や粘膜に擦れる際、傷がつき炎症が起こることで口内炎を発症します。主に、食事をする際や会話をする時など、口を大きく動かす時にできやすいのが特徴です。
マウスピース型矯正装置による矯正の場合は、マウスピースの着脱時にマウスピースの縁と粘膜が擦れ、傷がつくことで口内炎を発症します。マウスピースは縁に沿って横長に広い範囲で口内炎ができてしまうこともあり、強い痛みを伴うこともあるので注意が必要です。
また、次のような理由でも口内炎を発症することがあります。
↑ワイヤー矯正で使用する針金例
●栄養不足やビタミン不足が原因
栄養不足、ビタミン不足、ストレスや睡眠不足などの免疫力の低下によっても発症します。通常約10日ほどで自然に治癒します。
●アレルギーが原因
金属アレルギーが原因で発症します。金属が触れる部分を中心に赤く腫れるのが特徴で、金属製のブラケットやワイヤーを使用している部分に起こりやすいです。口内炎以外にも手や足に症状が出る場合があります。
●ウイルスが原因
ヘルペスウイルスや、クラミジアウイルスが原因で起こります。初めに水ぶくれができ、その後かさぶたに変わり、かゆみを伴いやすい特徴があります。
●不衛生が原因
口腔内が不衛生な状態が原因で発症します。カビの一種であるカンジダ菌が増殖することによって粘膜が赤くなったり、白い膜ができる特徴があります。入れ歯を使用している人に起こりやすいです。
口内炎ができた時の対処法
1 矯正用ワックスを使用する
“矯正用ワックス“といって、粘土のようなものを装置が当たる部分を覆うように付着させることで、口内炎の痛みの緩和や再発予防に効果があります。
2 矯正器具を調整してもらう
矯正器具と粘膜の摩擦を減らすように装置を調整します。矯正用ワックスを使用しても口内炎が良くならなかったり、何度も再発してしまう場合は、装置自体に不具合がある可能性があります。
3 薬を使用する
薬を使用することで自然治癒を待つよりも早く治る可能性があります。薬は主に、軟膏タイプ・スプレータイプ・貼るタイプの3種類です。触れると痛い場合は貼るタイプまたは、スプレータイプがおすすめです。
矯正治療中の口内炎を抑える予防法
矯正装置が強く当たるような部分があったら、あらかじめ矯正用ワックスを使用することで口内炎の予防に効果が期待できます。 他にも、
・口腔内を清潔に保つよう口腔ケアに力を入れる
・食生活や生活習慣を見直し、免疫力を高める
・ストレスを溜めないよう工夫する
など、健康面でも気をつけることで口内炎の予防につながります。
矯正治療に慣れてくると口の動かし方などのコツを掴み、口内炎ができにくくなります。慣れるまでは大変ですが、矯正用ワックスや薬などを併用しながらうまく乗り越えましょう。
なかなか治らない口内炎は、何か他の病気を発症している可能性もありますので、不安な方は歯科医院で詳しく見てもらうことをおすすめします。