交通事故による矯正治療は保険が効く?
交通事故による矯正治療は保険が効く?
交通事故で外傷を負った際、まず整形外科や脳外科を受診するのが一般的です。顔面打撲や頭部打撲は気付けても、顎や歯に起きているトラブルについては、後になってからようやく気付くということがあります。
交通事故で顎や歯に強い衝撃が加わると、噛み合わせに異常が生じることがあります。健康にも影響を及ぼす可能性がありますので、整形外科や脳外科での治療が終わった後、顎や頭が痛くなってきた、口が開かなくなったなどの症状があれば歯科を受診してください。
また、交通事故によって矯正治療が必要になった場合は、治療に保険が適用される可能性があります。その場合の保険は、損害保険会社が取り扱う損害保険です。健康保険ではありません。混同しないように注意してください。
交通事故によって矯正治療が必要になるケースとは?
交通事故によって考えられる症状は、
- 歯が抜けた
- 折れた
- 欠けた
- 割れた
- 変色した
- グラグラする
- 顎の骨が折れた
- 歯の位置がズレた
などさまざまです。
歯が抜けたり、折れた、欠けた、グラグラするなどの治療は一般歯科でも対応可能な場合が多いですが、
- 歯がズレた
- 抜けた歯の隙間を埋める
など歯の位置を動かしていく治療には矯正治療が必要になります。
歯がズレているということは
- 歯の位置が変わる転位
- 歯がめり込む陥入
が考えられます。歯を元の位置に戻し、両脇の歯と連結して固定し、歯の周りの組織の回復を待ちます。
低年齢児の乳歯や生えたての永久歯がめり込んだ場合は、歯根が未完成なので自力で再び生えてくることが期待できるため、無理に元の位置まで戻さずに様子をみることが多いです。
しかし、乳歯の位置がずれたり、めり込むことで、乳歯の下で育っている永久歯に影響が出ることもあります。永久歯の生える方向や、歯の形・色などにも影響が出る可能性があるので、永久歯への生え替わりまでエックス線検査などで定期的に診察を受けることが望ましいです。
交通事故による矯正治療の保険金請求の流れ
もし、交通事故によって矯正治療を行った場合、どのような流れで保険金を受け取るのでしょうか。
交通事故による保険金は、損保(損害保険)で補償されます。相手の車で加入している損害保険(任意保険)や、ご自身で加入している損害保険(任意保険)でカバーされます。
ただし、歯科の治療費は、“治療を受けたものが支払う義務を負う”という決まりがあります。したがって治療費の請求は、一旦歯科医院の窓口で患者さん本人に行い、直接支払いを受けるのが原則です。
そのため、保険金を請求する場合、患者さんは自ら支払った治療費について、加害者または保険会社に請求し、支払いを受けることができます。ただ、患者さんが窓口で医療費の全額を負担することが難しい場合などは、他にもさまざまな支払い方法があるので事前に確認しておくと良いでしょう。
保険会社によって保険が適用されない場合もある?
矯正治療に実際に保険が適用されるかは、保険会社によっても異なったり、事故の状況によっても負担金の有無や免責の有無が変わります。もし、交通事故で矯正治療を行う場合は、どこまで保険適用で治療できるのかを一度保険会社に確認しておくと良いでしょう。