転居・引っ越し(転勤・進学など)の予定がある方のための矯正治療

引っ越しの予定がある方がある方は、次のポイントを事前に理解した上で矯正治療を始めるかどうかを判断することが大切です。もし、これらを理解しないで矯正治療をすると、途中で矯正治療を中止せざるを得ない状況になり、お金は払ったけど治療が終わらなかったということが起きてしまいます。

1.【治療期間と転居時期の確認】どのくらいで治療が終わるのか?

診療風景

矯正治療の平均的な治療期間は2~2.5年です。「矯正治療が1年で終わります。」というような広告を目にすることもありますが、1年以内で矯正治療が終わる方はわずか数%程度の方です。ほとんどの方が2~2.5年の治療期間が必要と考えてください。

例えば、“1年後に進学で関東に引っ越しをする予定がある”というような方は、それまでの期間で矯正治療が終わる可能性はほぼありません。矯正治療が1年で終わる可能性は低いからです。

このような方は、現在住んでいる地域の歯科医院で矯正治療をするかどうかは慎重に判断することをおすすめします。転居してから矯正治療することを検討しても良いかもしれません。

2.【通院頻度】転居先から通院して治療継続することはできるのか?

引っ越しされて、転居先から片道1時間以上かけて通院する方もいらっしゃいます。1時間どころか、片道3時間以上かけて通院を継続する方も中にはいらっしゃいます。

その理由は

  • 治療を開始した歯科医院または歯科医師を信頼しているので変えたくない。
  • 1か月に1回の実家への帰省ついでに通院すれば良いから。

などと考える人がいるからです。

矯正治療は、むし歯治療とは異なり、毎週通院する必要がありません。ほとんど場合が1か月に1回です。

更に、

  • マウスピース型矯正装置の場合、2~3か月に1回の通院でも可能なケースが多い
  • マウスピース型矯正装置×遠隔診療(*)システムで6か月に1回の通院でも可能な場合がある

と、通院間隔が長いため、転居してもそのまま治療を継続する方が少なくありません。

(*)遠隔診療システムとは、オンラインで治療の進捗を確認する方法です。この方法は、転居予定がある人以外にも有用です。歯科医院までの通院時間が長く、通院をできるだけ避けたい方は、この方法を選択することで来院回数を減らすことができます。

通院中の患者さんの住所をプロットした図

こちらは、当院に通院中の患者さんの住所をプロットしたものです。遠隔診療システムを使うことで広範囲から患者さんが通院できていることが分かります。

3.【転院手続き】1度始めた矯正治療を継続するには?

転院手続き

引っ越し先の地域で矯正治療を続けていく場合、「転院手続き」が必要となります。しかし、この転院手続きは必ずしもできるものではありません。

矯正治療は、

  • 医院によって、使っている治療装置・方法が違う
  • 医師によって、治療方針・計画が違う

ために、現在行っている治療を引き継げるかどうかは確実なものではありません。

また、引き継ぐ際に、

  • 検査資料の共有
  • 治療計画の引継ぎ
  • 医院間で治療費の清算やり取り

が必要となり、転院元の医院と転院先の医院とで、それらがスムーズにできないこともあります。

矯正治療を始める前に、引っ越しの予定(時期、場所)が決まっている場合は事前に歯科医師に相談、確認することが大切です。

4. 転居予定の可能性がある人がするべきこと

転勤族の方や進学で転居や引っ越しの可能性がある方は

① 転居日までに治療が確実に終わるかどうかを確認してから治療を始める

それができない場合は

② 転居予定先に提携医院を持つ歯科医院で治療を始める
③ 転居予定先に分院を持つ歯科医院で治療を始める

以上が必要となってきます。